小児矯正の対象と開始時期

小児矯正の開始時期

小児矯正の開始時期

小児矯正を始める適切なタイミングは、お子様の成長や性格、ご家族のサポート体制によって異なります。
たとえば、3〜4歳のまだ幼い段階でも、本人が装置に前向きで、親御様の協力が得られる場合は、矯正治療をスタートできるケースがあります。

一方で、小学生になっても歯科治療に強い抵抗があるお子様の場合は、無理に治療を進めることでかえって効果が得られにくくなることもあるため、慎重な判断が必要です。
実際に歯を動かす治療は、前歯が永久歯に生え変わるタイミング(おおよそ6〜8歳)から始まることが一般的ですが、不正咬合の原因はもっと早い段階で形成されています。
顎の成長や姿勢、呼吸・飲み込み方といった「お口まわりの機能」は、乳児期からの発達に深く関係しています。
そのため、「矯正を始めるのが早すぎる」ということはありません。
まずは気になることがあれば、早めにご相談いただくのがおすすめです。

どんな子が対象になるの

最近では、多くのお子様が、何らかの形で小児矯正の対象となる可能性があります。
特に、歯並びの乱れや噛み合わせに明らかな問題が見られる場合は、早めの対応がとても大切です。
以下のような症例は、小児矯正でよく見られる代表的なケースです。

  • 受け口(反対咬合)
  • 出っ歯(上顎前突)
  • 前歯が噛み合っていない(開咬)
  • 噛み合わせが深すぎる(過蓋咬合)
  • 一部の噛み合わせが逆になっている(交叉咬合)

将来的に「8020(80歳で20本の歯を残す)」を目指すためにも、お子様のうちから噛み合わせや口腔機能にしっかりと目を向けることが大切です。

年齢別のアプローチ

お子様の口腔内は年齢とともに大きく変化します。
それぞれの成長段階に合わせて、適切なアプローチを取ることが、健やかな歯並びと噛み合わせを育てるためには欠かせません。

0歳からのアプローチ

実はこの時期から歯ならびへの影響は始まっています。
母乳やミルクの飲ませ方、使う哺乳器具、離乳食の与え方や内容は、お口の成長に大きく関わってきます。
また、生後6か月ごろには乳歯が生え始めるため、予防歯科もこの頃からスタートします。
仕上げ磨きの方法やおしゃぶりの使い方など、ぜひ歯医者で正しい知識を得て、通院にも慣れていってください。

1〜2歳のアプローチ

さまざまな食べ物を見て、触って、噛んで味わうことは、お口の発達にとってとても大切な経験です。
呼吸は鼻でできているか、正しい姿勢で食べられているかなど、生活習慣を見守ることが重要です。

3歳のアプローチ

この頃には乳歯がすべてそろってきます。
舌の位置、呼吸の仕方、飲み込み方、姿勢などに問題がないか、歯医者で確認してもらうことが大切です。
もし、上下の前歯が噛んでいなかったり、受け口が続いていたりする場合は、習慣や生活環境に何らかの影響があるかもしれません。
早めに歯医者で診てもらい、必要に応じた指導や予防を取り入れることで、将来の矯正治療がスムーズになることもあります。

4〜5歳のアプローチ

虫歯ができると乳歯の形が変わり、大人の歯が生えるスペースが不足して歯ならびが悪くなる原因になります。
また、この時期は口呼吸や頬杖などの悪習癖を見直し、改善を始めるのに適しています。

6歳のアプローチ

永久歯が生え始めるタイミングです。
本格的に口腔筋機能療法(MFT)を取り入れながら、歯ならびや顎の成長をコントロールしていきます。

7〜9歳のアプローチ

乳歯から永久歯への生え変わりが本格的に進む時期です。
この頃になると、使用する矯正装置の種類も増えてきます。
また、これまでの生活習慣や予防歯科への取り組みが歯ならびに反映されてくるため、日頃のケアの積み重ねが目に見えて表れてくる時期でもあります。

10〜12歳のアプローチ

成長を見極めながら、本格的な矯正治療を行うこともある時期です。
必要に応じて、歯を抜いて治療を進めるケースもあります。
もちろん、この年齢から矯正をスタートすることも可能です。

13歳以降のアプローチ

顎の成長も落ち着き、大人の歯を対象とした矯正治療が中心となります。
マウスピース型矯正装置などを活用することで、見た目の違和感を最小限にしながら、虫歯のリスクも抑えて治療を進めることができます。
歯並びが整うことで、将来の虫歯や歯周病のリスクを減らし、健康な口腔環境の維持にもつながります。

永久歯が生える前の治療のメリット

成長期だからこそできる顎のバランス調整

永久歯が生えそろう前の時期には、顎の成長をコントロールしやすくなります。
もし左右の成長に偏りがあるまま進むと、お顔全体のバランスにも影響を及ぼす可能性があります。
この段階で治療を始めることで、自然で整った輪郭へと導くことができるのです。

虫歯や歯肉炎の予防につながる

歯並びが整えば、歯ブラシが届きやすくなり、磨き残しのリスクが軽減されます。
小さい頃から清潔な口腔環境を維持しやすくなるため、将来的な虫歯や歯肉炎の予防にも効果的です。

将来の抜歯の可能性を減らせる

大人になってからの矯正では、歯を並べるスペースが足りず、抜歯が必要になることもあります。
一方、小児矯正では成長を活かして顎の幅を広げることで、永久歯のための十分なスペースを確保でき、抜歯の回避につながる場合があります。

口呼吸や指しゃぶりなどの癖を改善できる

口呼吸や頬杖、指しゃぶりなどの癖は、歯並びを乱す原因となります。
小児矯正では、こうした習慣を早期に見つけて対応することにより、歯並びの乱れや治療後の後戻りを防ぎやすくなります。

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