矯正治療後について

歯の後戻りとは

歯の後戻りとは

矯正治療で整えた歯並びが、時間の経過とともに少しずつ元の位置に戻ってしまうことを「後戻り」といいます。
歯は、動かしたあとも安定するまでに時間がかかるため、何もしなければ元の位置に戻ろうとする力がかかってしまいます。
小児矯正では、骨の成長を利用して歯を自然な位置に誘導していくため、大人の矯正と比べて後戻りが起こりにくいといわれています。

しかし、完全に防げるわけではありません。
治療が終わったあとも、きれいな歯並びを長く保つためには、しっかりとしたケアと経過観察が必要です。

保定装置(リテーナー)とは?

矯正治療には、「歯を動かす期間」と「歯を安定させる期間」があります。
後者の期間に使用するのが、「保定装置(リテーナー)」です。
矯正直後の歯は、まだ周囲の骨や歯ぐきにしっかりと固定されていません。
そのため、整えた歯並びをそのまま保つためには、保定装置を使って歯の位置を安定させる必要があります。
保定装置には、以下のような種類があります。

  • マウスピースタイプ(取り外し可能)
  • ワイヤータイプ(歯の裏側に固定するタイプ)

お子様の歯並びや生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる装置をご提案します。

保定装置の装着期間と注意点

保定装置の装着期間は、一般的に2〜3年ほどが目安とされています。
治療直後は、1日20時間以上の装着が必要なこともありますが、歯の状態が安定してくると、装着時間を徐々に減らしていけるケースもあります。

ただし、装着時間の調整は歯科医師の判断で行うことが重要です。
ご自身の判断でリテーナーの使用をやめてしまうと、せっかく整えた歯並びが戻ってしまう恐れがあります。
きれいな歯並びを長く保つためには、保定期間中も定期的にチェックを受けながら、保定装置を適切に使い続けることが大切です。

保護者の方へのお願い

小児矯正をスムーズに進めるためには、お子様自身の協力とともに、保護者の方のサポートが非常に重要です。
特に保定期間中は、見た目の変化が少なくなり、お子様のモチベーションが下がってしまうこともあります。
そういったときに、ご家庭での声かけや見守りが大きな力になります。

リテーナーの装着習慣を一緒に作りましょう

保定装置は毎日決められた時間しっかりと装着する必要があります。
特に最初の数ヶ月は、1日20時間以上の装着が推奨されることもありますが、お子様ひとりで管理するのは難しいこともあります。

  • 朝起きたらきちんと装着できているか
  • 外したあとはケースに入れて保管できているか
  • 就寝前に忘れずに装着できているか

など、毎日のルーティンとしてリテーナーの管理を一緒に確認してあげると安心です。

清掃・保管のサポートも大切です

リテーナーはお口の中に長時間入れるものですので、衛生管理も欠かせません。
専用の洗浄剤を使って定期的に清潔に保つこと、食事の際には外して安全な場所に保管することなど、ご家庭での環境づくりが大切です。
また、破損や紛失が起こった際には速やかにご相談いただくことで、後戻りを防ぐことができます。
トラブル時の対応方法もあらかじめ確認しておくと安心です。

定期的な通院を忘れずに

保定期間中も、歯医者での経過観察が必要です。
歯並びの安定具合や装置の状態をチェックし、必要があれば調整を行います。
通院のタイミングを逃してしまうと、後戻りのリスクが高まることもありますので、定期検診のご予約は忘れずにお願いいたします。

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